人には言えない恋をしよう
こんにちは。
「恋の至極は忍恋と見立て候、逢ひてからは恋のたけが低し、一生忍んで思ひ死することこそが恋の本意なれ」
葉隠の一文です。
究極の恋とは忍ぶ恋。
つまり人知れず胸の内で想い続ける恋心にこそあると綴っています。
現代では少し古臭いと思われてしまう一文かもしれません(^^;
ただ、どの時代においても人生訓を綴ったものというのは今を生きる私たちにとってもとても大切なことが多く書かれていると思います。
情報社会である現代では人には言えないような恋もすぐに表沙汰される時世です。
とくに不倫などの横恋慕は発覚した途端「絶対悪」として扱われ、どこぞの見ず知らずの人間からもバッシングを受けるような世の中です。
忍ぶ奥ゆかしさもロマンもありませんね。
そもそも理性でするものではない恋に理性で訴えかけどうにかしようとする風潮こそいかがなものかなと正直私は思います。
もちろん被った側からすれば「冗談じゃない!」と言われてしまう持論ではありますが(^^;)
恋した男女を無理やりどうにかしてしまおうなんて、それこそ火に油を注ぐ素行になってしまいます。
ありのままで受け止められる柔軟な心と、過敏に反応しない心のゆとり。
そして周りに流されずどう飲み込むべきかを思案できる賢さこそ、成熟した大人にしかできない所作でもあります。
そこに美しさと品性は宿るのではないでしょうか(^^)
もちろん恋する側も同様に。
ある程度わきまえた大人の恋ができなくてはなりませんね。
恋する事自体は悪いことではありません。
むしろ素敵なことです。
誰かが誰かを愛するからこそ、そこにロマンは生まれ人生を華やかにしてくれます。
ただ華やかにするのにも品性は大事です。
気が合えばすぐにデート。
ちょっと気に食わないことがあればすぐに縁切り。
結婚、離婚、再婚ですら自由な社会です。
その自由さにかまけて、本来持つ恋愛の奥ゆかしさや美しさまで失ってしまうんじゃないかと思ってしまいます。
いつの時代でも「純愛」や「大恋愛」は見るものの心を震わせてくれますが、それは抑制されながらも懸命に想い合う男女の絆に胸を打たれるからです。
好きになったらすぐ付き合う、嫌になったらすぐ別れるというのは、それと比べるとなんて味気ないものかと思ってしまいます。
冒頭でお話した「不倫」についてもそうです。
想い合うのは結構。
ただそれより先の一線を踏み越えたとき、そこにお互いの幸せがあるのかどうかを考える理性はとても大事なものになってきます。
お互いに守らなければならない世界があるのなら、それを壊さないように。
人は、堕落しようと思えばいくらでも堕落してしまいます。
そのために心を律するルールがあるのです。
これはお互いの品性と尊厳を守るためのルールでもあります。
それに堕落した先に幸せがあるのかと言えばそうでもありません。
なんでも「叶えば幸せだ」と思うのは間違いだということです。
叶わないからこそ幸せでいられることもあります(^^)
それこそが「忍ぶ恋」の醍醐味です。
"恋の寿命は四年″
目くるめくような恋、永遠の恋と誓ったものもいつの間にか情熱は薄れていきます。
ならその熱く燃え上がっている間は、お互い秩序を保ってひたむきに求め合い心を震わすくらいが丁度いいのではないでしょうか。
結果叶わない恋として終わっても、その思い出は人を磨かせより一層その人を美しく輝かせるスパイスとなります。
お手軽なインスタント的恋よりも、ずっと人を成長させてくれますよ(^^)